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by roberte_ce_soir
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Lalala Human Steps

みなさん、こんちには、incognitoです。ごぶさたしております。

週末は生まれて初めて「埼京線」に乗り、さいたま芸術劇場で、今年いちばんの期待作、ラララ・ヒューマン・ステップスの「アメリア」を観てきました。同劇場は世田谷のパプリック・シアターなどに比べればやや小さくて、もっとアットホームな感じ。再三ピナ・バウシュがヴッパタール舞踏団の来日公演で愛用しているのは、そのローカルな性質のせいでしょうか。「アメリア」はCG処理した女性ダンサーの映像を中央の盾形のスクリーンに投じ、それと連接しながら、生身のダンサーがパフォーマンスを展開する舞台ですが、クラッシック・バレエの「ポワント」(pointe)を採り入れ、「ピケ」(piqué)や「バットマン」(battement)といったおなじみのテクニックを使いながら、それらの動作を究極まで高速化してみせてくれます。それは量(ここではvittesee)が、質(別種のmouvement)に生成変化する瞬間です。つまり、西洋舞踏の古典的な枠組みに従属しつつ、それを内側から「内破」させているのです。また特筆すべきは、スポットライトという単純な舞台装置が、ヒッチコック映画のカット割のごとく、90分のあまりの舞台で700回も切り替えられ、空間をアーテキュレイトすることにより、視覚的なリズムを生み出していることでしょう。ルー・リードの哀切なリリックを、ミニマル・ビートと織り交ぜながら演奏する弦楽三重奏とヴォーカルの生演奏が、同一空間でダンサーたちにからむ、オーディオ=ヴィジュアル的な構成もスリリングでした。タンツ・テアターとはまたちがった意味で、「舞踏的強度」とでも呼ぶべきものを経験しました。

来週はいよいよ神田キャンパスでワヤンですね。楽しみにしてます♪ それでは夏風邪が流行っているので、体調に気をつけて!

(incognito)
by roberte_ce_soir | 2004-06-21 09:55